HOME > のぼりの製作や生地について > のぼりのインクは熱で彩る
今回はあまり知られていないであろうのぼりの印刷工程についてご紹介いたします。

のぼりのインクは熱で彩る

2020年04月23日

のぼりの印刷と言われても、おそらく多くの方はイメージが沸かないと思います。

かくいう私も、会社に入るまでは、なんとなく家庭にあるような印刷機の大きいやつで出すのかな?
くらいにしか想像できませんでした。

そういうわけで、のぼりを注文したことのない方や既にのぼりを購入した方にも、こうやって作るんだということを知ってもらうために紹介いたします。

ポンジ

まず、のぼりはダイレクト昇華印刷という印刷方法で
直接ポンジというのぼり用に開発された化繊の生地に
印刷しています。

昔は1色ごとに版を作って刷っていく「シルク印刷」
と呼ばれる方法が主流でしたが、現在ではデジタル化が進み
ほとんどの会社がダイレクト昇華印刷を採用しています。

シルク印刷はいわゆるプリントゴッコのような印刷方法で、
1色ごとに版を作るため色が多くなると手間もかかり
価格が変わるという点と、インクが乾くまで次の色を
刷れないので時間がかかる、写真の印刷ができないといった
理由で減りつつあります。

その点、ダイレクト昇華印刷は、ご家庭にあるインクジェット
プリンターとほぼ同じなので、色数を気にしなくてもいいですし、
写真も印刷ができます。乾くまでまたなくていいので短納期の
対応も可能ということでほとんどの会社が採用している訳です。

自宅のインクジェットプリンターとほぼ同じと書きましたが、
インクを吹き付けて熱を加えるという部分では同じなのですが、
熱を加えるときの熱量が全然違っていたり、そもそも布に印刷
をしますので、ご家庭のインクジェットプリンターとは
似て異なるところがあります。


言葉で難しい事を書いていてもよくわからないと
思うのでさっそくのぼりの印刷工程を
みていきましょう。

のぼりに使うポンジを印刷機にセットして
印刷を開始します。

ポンジに印刷

この状態から次に熱を加えていきます。

熱を加えたのぼり

熱を加える前と比べてもらったら一目瞭然ですが、
色が圧倒的に鮮やかになっているのがわかりますよね。
写真だともしかしたらあまり違いがわからないかも
と思ったのですが思っていたよりも結構わかりますね。

印刷したのぼりを巻き取っている時にヒートカッター
でポンジを切っています。

これはポンジの切断面を高熱で溶かしながら切ることで
切った時の糸のほつれ等を固めることができます。

このようにして印刷して熱を加え、切る作業を一度の
工程で行うことができます。

そしてこれが印刷が終了したのぼりです。
せっかくなので熱を通した場合とそうでない場合の比較
をしてみました。

のぼり完成比較
↑左が熱を加えたもので、右が熱を通してないものです。


熱を加えていないほうは色がくすんでいるのに対して熱を加えて
いる方は色がしっかりと出ています。

このようにのぼりは熱をしっかり加えることできれいな色の状態で
皆様にお届けすることができているのです。

どうだったでしょうか、なんとなくのぼりって
こんな風につくられていたのか、とわかって
もらえたかと思います。

お手元にのぼりがある方やそうでない方も
一度のぼりを手に取りこうやってつくられ
たんだな、と是非考えてみてください。

それでは、今回はこの辺で
また次のブログでお会いしましょう!

コメント

名前
メール
URL
内容

情報を記憶する
プロフィール
管理者:オーダーのぼりドットコム店長@辻本
プロフィール画像
2008年入社にデザイナーとして入社。カラーコーディネーター1級。
現在はご注文、お問い合わせ対応など、お客様窓口を担当しています。
ブログでは、のぼりを購入する前に読んでおきたい情報や、デザインや配色について等、読んでくださった方に安心してのぼりを製作頂けるような記事を執筆しています。
どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。とことんお付き合いいたします!
<< 2020年 04月 >>
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
最新記事